Growth/コミュニティ/新規参加者との関わり方

This page is a translated version of the page Growth/Communities/How to interact with newcomers and the translation is 100% complete.

下記のガイドはウィキメディアのウィキ群で履歴の長い編集者を補佐して、編集の新人や初学者とどう向き合うか、特にヘルプデスクや「よくある質問」 (Q&A) ページを想定してまとめてあります。 またメンターの活動など、利用者同士のやりとりにも応用できます。

この文書に集めた最善の慣行はさまざまなウェブサイト (ウィキメディアのウィキ群や部外のQ&A サイトなど) から探し、また新規参加者とやり取りをしているウィキメディア編集経験者から現場の考えを得て加えてあります。その知見についてはPhabricatorをご参照ください。

ガイド

よい関係性を築くには

  • 友好的で丁寧な態度を保ち忍耐強く対応します。たとえ新規参加者がそれを忘れていたとしてもです。
  • 最初の一言は「こんにちは、ようこそ!」で書き始めます。
  • 質問で何を尋ねているのか、内容をよく吟味します。問題の憶測はやめてください。詳細を確かめるのは適切な返しで、的確な回答につながるはずです。 相手の質問の内容が把握できない時には「やろうとしているのはどんなことですか?」という、最適の質問をしてみます。
  • 新規参加者が使っているエディタを確かめ (2010年版ウィキテキスト、ビジュアル、モバイル版、2017年版ウィキテキスト、など) そのエディタに合わせた回答をします。新規参加者に知らないエディタを使うように依頼するのは重荷です。
  • 自分の能力を把握しましょう。特に技術面や興味の範囲外のトピックの場合、ときにはどう返答してよいかわからないこともあります。その分野でもっと経験を積んだ利用者に相談するのもひとつの方法です。 メッセージがご自分のユーザーページに届き回答まで少し時間がほしい場合は、まずは読んだことが投稿者に伝わるように、短い返事を書きます。
  • 正直に:リクエストがそのウィキにおいては非現実的、実行不可能、あるいは趣旨から外れている場合、そのことを理由と共に説明してください。例えば数日のうちに削除されると予測されるコンテンツに、新規参加者が取り組んでも生産的ではありません。それでもなぜ削除の対象になるのか説明してもらえると、新規参加者には同じことを繰り返さずに済むきっかけができます。代わりに何か他のものに取り組むよう新規参加者にお勧めしてください。
  • さまざまな理由によって、皆さんのウィキで新規参加者が気分を害したり不満を抱いたりするかもしれません。おそらくはその苦情は皆さんに対してというわけではないでしょう。どうか冷静にかまえて、新規編集者の状況を理解することに努めてください。
  • もし途中で不毛な議論に発展し始めたと気づいたら、丁寧に話し合いを終了させます。
  • 楽しむ気持ちでどうぞ!新規参加者を助けることを重荷にしないでください。リクエストをフォローする時間がなかったり、あるいは気分が乗らない時は別の人に担当してもらってください。 指導役はいつでもお休みしてください。
  • 他の指導者のトークページをウォッチリストに入れます。ご自分がいつオフラインになる予定か、他の指導者に知らせると、ウィキ不在中に皆さんのトークページを誰かが代わりに巡回してくれます。

模範的な返信の基本

説明する
いきなり説明文書へのリンクを示すのではなく、手順の説明から始めます。たった1文にリンクを添えるのであっても、その場で回答する方が回答へのリンクを示すより優れた対応です。リンク先のページの要点となる情報を引用します。そうしないと、相手は複数のページの長い文章を読まされることになりかねません。
例文:「自分の画像を追加するには、別のサイトですがウィキメディア・コモンズというところにアップロードする必要があります。その後、作業していた記事に配置するという手順です。なんだかややこしそうと感じると思いますので、このリンクをじっくり読んでください。」
次の段階を紹介する
質問者に送る回答には、次の手順を書いておきます。特定の質問に回答するだけでは不十分です。
個人に合わせる
一般的な言い回しで答えず、明確な質問をします。 利用者はそれぞれ、似たような問題とは異なる、独自の問題を抱えているかもしれません。 例を見せる。
とにかく単純化する
慣用語や略語は避けてください。リンクを示して、徐々にそれらを紹介するようにしてください。関係ない情報を詰め込みすぎて、新規参加者に負担を与えないようにしてください。
ガイド役に徹する
一例をあげると、新規ページに画像を載せる方法を質問された場合、質問者が最初に取るべき行動は情報源の加筆なのだから、情報源の加筆を指示 (その方法も具体的に。) そのとき、画像の追加方法は次の段階で説明すると約束してください。
会話を作り出す
新規参加者に質問をして、会話に引き込んでください。
一例をあげると、相手の質問が「ウィキペディアに私でも新しい記事を書いて良いでしょうか?」だったとします。返答として「できます。ただしウィキペディアの編集活動では、新しい記事の執筆はいちばん難易度が高いです。どんなテーマの記事を書きたいですか? その興味の範囲で、もう少し簡単なタスクもありそうですから、それらに取り組むと記事を書く技術が身につくはずです。」

通知する
新規参加者が返信に気づくような手段を使ってください。例えばウィキテキスト形式のトークページなら、返信の中で利用者に言及してください。
今のところ、トークページの技術的な実装のために、新規参加者は誰かが自分の質問に答えたときに確認できません。 また言及の成功と失敗の通知を有効にすると、言及が正しく送信されたか確認できます。
返信の方法を説明する
利用者のトークページをどう使えばよいか、多くの新規参加者にはわかりません。そこで次のような案内をします:「私のメッセージに返答するには、『ソースを編集』という文字を押し、私が書いたメッセージの下に、皆さんの返答を記入してください。済んだらページを公開します。」この段階では、新規参加者がまだインデント(字下げ)や署名を理解していなくてもかまいません。次の返信でそれらを教えてください。もしかするとそれに使えるテンプレートもあるかもしれません。
後日、フォローする
可能なら、依頼を後でもう一度確認しに戻ってください:新規参加者は別の質問をしていたり、あるいはもっと細かい点の説明を求めているかもしれません。新規参加者は、予期しない方法で返信するかもしれません:返信の方法や署名の書き方、あるいは利用者に言及(ping)する方法がまだわからないかもしれません。
何かを説明するときは、その回答が役に立ったかどうか新規参加者に尋ねてください。新規参加者は歓迎されていると感じられ、皆さんは回答方法を改善するための情報を得られるでしょう。やり取りが終了したら、新規参加者に、必要なときはまた連絡をするように言ってください。
返事を書く
まず挨拶から!
可能な限り、できるだけ早めに回答します。新規参加者はログインの頻度が少なかったり、メールによる連絡機能を有効にしていない可能性があります。ウィキメディアのようなタイプのコミュニティは初めてかもしれず、したがってさまざまな時差の地域から編集者が討議に参加することにも不慣れと予想されます。フォーラムをときどき再訪して、24時間以上、回答されていない質問がないか確かめてください。
返事を送信する前に点検、つまり誤字脱字に注意。

説明か、修正してしまうか

目的のひとつに、UIもしくはマークアップで苦労している新規参加者を助けることです。場合によっては編集手順が複雑で、ご自分で訂正するほうが 説明するより早いかもしれません。確かに段階を重ねる処理やウィキ構文が多重式の場合には正しい判断です。その場合にはずばりと「経験者でもかなりしんどい」複雑な編集だと伝えます。ただし訂正処理を済ませた後で、どんな手順で修正したか説明します。新規参加者がそれを例に学び、次の機会には再現できるようにするためです。

選択はご自分の経験や他の指導者との話し合いに基づきます。ただ、新規参加者にとって誰かに作業を代行してもらうよりも、何をすればよいか学んだら自力でやってみると達成感が大きい傾向があります。短期的には教える行為は効果が薄そうでも、長期的には編集者の定着に効果があります。

コミュニティの他の人を頼りにする

専用のヘルプフォーラムを運営。幅広い範囲の手助けをしてくれる人たちの影響次第です。だれにでも強みや弱点があり、費やせる時間やエネルギーも無尽蔵ではありません。

手助けをした人たちと連絡をして、ご自分の経験知や最善の慣行との調整をします。もし他の人から助言をもらったら、そういう方法もあると受け止めます。

ご自分の他に回答を寄せた人にも連絡をしましょう。意欲に感謝するほか、もし改善できる点があったら方法を示します。たびたび手助けをする人を見かけたら、謝意を伝えます。

ご自分の対応をコミュニティに伝えるのもお忘れなく。誰かが自分もお助け役になろうと思うきっかけになります。

下記は複数のウィキペディアで見かけた返答を使い、仮想の例をあげました。

自分のPCに保存してある画像を追加したいのですがどうすれば良いですか?

 N 避けるべき
ヘルプページを熟読して内容に従ってください。
  お勧め
こんにちは。ウィキペディアは誰でも再利用ができます。著作権関連の法規は尊重していますので、どんな画像でも掲載できるわけではありません。話題の制約のほか、画像の撮影者や製作者が誰かによって決まり事があります。画像を付けようと考えたのは、どの記事でしょうか? 掲載するつもりの画像は、あなた自身が撮影もしくは作成したものでしょうか? もし他人の作品であれば、著作権は誰が持っていますか?

記事を投稿したのに削除するなんてひどすぎます!

 N 避けるべき
あなたのせいです。ヘルプページを事前に読んでいないからです。ウィキペディアでは自分勝手な編集、特に自分が選んだ話題を宣伝することは認められないと理解できましたよね。
  お勧め
こんにちは、残念な経験をされたようですね。参照できた情報によると、どうやらあなたが投稿した記事には情報源がまったく含まれていないようです。ウィキペディアの記事は公表された情報源に基づいて書く決まりがあり、読者に情報の評価をしてもらえるようにしています。あなたの記事でいちばん解決すべき点はここです。話題に関する公開の情報源をこちらでも検索してみたのですが、見つかりませんでした。あなたの方には、公的資料で使えそうなものはありませんか? もしそのようなものが全然ないという状況であれば、この話題に関する記事をウィキペディアに載せるのは、現状ではまだ早すぎるということになります。