Reading/Web/Desktop Improvements/機能/言語切り替え
デスクトップ改善プロジェクトの一環として、私たちは他の言語のウィキに切り替える新しい方法を導入しようとしています。私たちの目標は、言語切替機能をすべての利用者にとって見つけやすいものにすることです。第2の目標は、各プロジェクトで非常に多数の言語が利用できることを読者に知らせることで、ウィキメディアプロジェクト全体に対する理解を改善することです。
機能の説明と要件
- 言語の選択肢をページ最上部に明示したボタンで使えるようになり、位置は記事の題名と揃えます。
- 言語ボタンを選択すると各利用者に指定の言語群を一覧にして表示し、 その記事の翻訳がある言語をすべて並べます。またその一覧には言語群の表示の設定と、言語指定用のエントリポイントがあります。
- 旧来の多言語一覧は今後、サイドバーに表示しなくなります。
- ボタンの新しい配置により、ページヘッダの改変が求められ、なかでもページ標識ボタン page indicators の再配置が必要です。
- 非JavaScript の代替設定も用意する予定で、 JavaScriptを使えない利用者にも言語の一覧全体を表示できるようにします。
設計要件とガイドライン
利用者テスト
usertesting.comでの初期テスト
(サイドバーにある)現在の位置の言語切り替え機能を提案された記事のヘッダーの位置と比較する利用者テストを実施しました。テストの目的は言語切り替え機能の配置を変えると、前より使いやすいかどうか確認することです。テスト結果は仮説を裏付け — 試験グループ (新しい配置) は、対象グループ (従来の配置) よりも言語の切り替えにかかる時間が短かったのです。これらの結果に基づき、この位置へ言語選択機能を移動することについては、デスクトップ改善プロジェクトの一環として、探索を継続する計画です。詳細はレポート全文版をご参照ください。
アイコンのテスト
私たちが知る限り、この世に「標準語的」つまり全世界でこれが言語のアイコンだというものは存在しません。現状ではベクター、ミネルバ、タイムレスで使うアイコンにはラテン文字の「A」と中国語の「文」(意味は「言語」) を採用。Phabricatorで議論があり、アイコンについて、かなり前から続いています。
さらに議論を重ねた結果、言語アイコンとして残った有力な対抗候補は地球の形 🌐 でした。usertesting.com で簡易版のテストを行い、現在のアイコン(文字アイコン)と比べて、地球アイコンが言語アイコンだとすぐ認知できるかどうか、理解しようとしました。多言語話者40名の内訳:文字アイコンは言語切り替えに使うと分かったのは35名。地球アイコンは言語切り替え用と分かったのは13名(両群の合計が被験者総数を上回るのは、どちらのアイコンも言語と関係すると理解した被験者がいたため)。これらの結果は統計的に有意ではないものの、次の2つの仮定についての情報を与える役に立ちます:
- 言語のアイコンとしては、地球のアイコンは文字のアイコンよりおそらくより明らかであることはない。
- アイコンに加えて、可能であるかぎりは"languages"というラベルを使用するべきである(なぜなら、~13%の人々は文字のアイコンを言語の切り替えと関連付けなかったからである)。
結論: さらなるテストを行うまでは、文字のアイコンを使い続ける。
編集者対象のテスト
2019年12月にはデスクトップ版改善企画の機能について、最初の試作品を公開してコミュニティのフィードバックを募集しました。試作品には折り畳み式サイドバー、コンテンツの横幅の上限設定、また言語切り替え器をもっと見やすい位置に配置しました。5言語版の200名超のログイン利用者から、詳細にわたる考察を述べたフィードバックをいただきました。
総論として、大部分の利用者は言語選択器の新しい配置を気に入り - 以前の配置よりも見つけやすくなったとのことです。実際に使ったところ、言語切り替えが前よりも早くなると予測する人がしばしばいました。また数名の利用者から、新しい配置は他の多言語版サイトで採用するパターンと共通しており、直感的に把握しやすいとの声が聞かれました。
言語切り替え器の新しい配置は見つけやすかったと多くの人が記した反面、言語を切り替えるためにクリックが1回増えるのは不便であり、特に切り替える頻度が多い人が声をあげました。そこで最も使用頻度が高い言語群については、ワンクリックで操作できる機能の追加を検討中です。現在の発想の一部を以下に図示します。
読者対象のテスト
2020年1月 - 5月に Hureo 社というインド本拠の利用者調査会社と共同で利用者調査を実施、ウィキペディアの入門者もしくはたまに使う読者がデスクトップ版インターフェースをどのように使っているか調査を実施しました。調査は2段階に分かれ、第1段階は英語版中心の読者、第2段階では2言語 (英語と他言語) と非英語言語の読者をそれぞれ対象としました。調査の目的は入門者とたまに使う読者のユーザー体験を理解し、それらの人々が現状のサイトで直面する主な問題を特定することでした。
どちらの被験者群も地方語で閲覧しており、英語閲覧者群もいて、ページ内に言語切り替え機能があることは全員が理解していませんでした。被験者の大部分は記事を検索エンジンで検索することによって、多言語の記事にアクセスしていました。
言語切り替え機能を新しい配置にした試作品に触れてみると、入門者もたまに使う読者も新しい位置の方を気に入りました。
より詳しくは、レポート全文版で確認できます。
定量的テスト
初回のA/Bテスト
An was performed to compare the rates of languages switching for logged-in users with the new button on top of the page (the test group) with the previous location (the control group).
The analysis of the results showed that there was an average 44.57% decrease in total clicks on language links by logged-in users on the early adopter wikis in treatment group compared with control group.
The decrease is contradicted with our hypothesis.
After further evaluation, we hypothesize that the main reason for the decrease to be a lag in feature adoption, mainly among users that are accustomed to the previous location of the language switching functionality and users that tend to switch languages across multiple wikis.
In the latter case, this created a situation where the language switching functionality was available in different locations depending on the wiki used and whether that wikis was a part of the early adopter group for the Desktop Improvements project.
A/Bテストの結果を受け、当チームでは機能の繰り返し開発を開始、上記の利用者グループでこの機能の見つけやすさを改善していきます。
初回のA/Bテスト後の繰り返し開発
詳細は以下の定量的テストの節をご参照ください。
In July 2021, we moved the language button to a more convenient location at the top of the page. However, the results of our A/B test indicated that the new location of the button might be difficult to discover, especially in the following use cases:
- For users that are accustomed to the previous location of the language switching functionality
- For users that tend to switch languages across multiple wikis. In the latter case, this created a situation where the language switching functionality was available in different locations depending on the wiki used and whether that wikis was a an early adopter of the Desktop Improvements.
To improve on these issues, we will iterate on the implementation of the new language button with the goal of making the button easier to find across all scenarios.
改善案の一覧は次のとおりです:
- Providing direction to the new location of the language button from the previous location by placing an alert in the sidebar informing users where the new location of language links is
- Making the language switching functionality more noticeable by changing on the visual styling and appearance of the button
- Providing direction to the new location of the language button from the current location using guided tours that will present users with a notice on where the new location of the language links is
- Improving main pages to make it possible to present the language switching functionality in a more prominent location
これら変更点がうまくいったかどうか、様々なパイロットウィキにわたり定量的テストを行って計測する予定です。
制限
- メインページにはページ上部にヘッダーがありません。 その結果、既定では言語選択機能はページ最下部に配置してあります。 コミュニティから要望があれば、そのボタンをページ最上部に配置することは可能で、手順としてウィキメディアのサイト要望を出してください。 この変更では、ヘッダーを表示するメインページをコミュニティ自体が変える必要があります。 See our FAQ for more information.
- 現在のところ、ボタンを介して導入された言語機能によってこの設定が不適切になるので、コンパクトな言語一覧は新しいバージョンのベクター外装では機能しない予定です。 phab:T282149で新版のベクター外装からこのオプションを除去する予定です。
- Coordinates: On pages where coordinates are displayed at the top of the page, the language button would look best if the coordinates are displayed as page status indicators. ページの現況表示はメインページの使い方解説をご参照ください。
関連する作業
言語チームが担当して統一言語選択機能 Universal Language Selector (UTS) に取り組んでいます。完了時点で現在の ULS を更新版と置換します。更新版の ULSは、他の改良点と合わせて、各言語変種もサポートする予定です。
リリースの日程
これらの変更にはウィキメディア財団の2020/2021予算年度 (2020年1 - 4月期) 第3ならびに第4四半期にわたり取り組んでおり、反復開発の初段階を2021年5月にも実装したいと考えます。早めに導入するウィキ群には既定で導入の見込みです。新しいユーザー体験のオプション選択をしているログイン利用者にも、これらの変更が表示される見込みです。
関連項目
- 2010年折りたたみ式言語リンクに関する調査
- Wikidata:Project chat#Wikidata phase 1 regression (about problems with approach)